「同じ色なのに、なぜ修理後だけ少し違って見えるのか」
車の板金塗装に興味を持つと、必ず出てくる疑問があります。
「新車の塗装と修理の塗装って同じじゃないの?」
実は自動車の製造工場で使われる塗料と、街の板金塗装工場で使う修理の塗料は
目的は同じでも塗料の乾燥形態が異なる為、塗装方法や工程も違ってきます。
「何が違うのか?」ででわかりやすく解説します。
新車の塗装とは?
高温で焼き付け塗膜を形成する熱重合乾燥塗装が用いられます。
1.高温で焼き付ける
新車工場では、140〜180℃近い高温で焼付けて乾燥します。
2.ロボットが均一に塗装する
ロボットが安定して塗装できるよう吹き付ける距離や塗装膜厚、スプレーパターンなどを
管理し大量生産でも品質を安定させています。
3.大量生産向けの塗料
新車の塗料は生産効率を上げるために乾燥速度、コスト、環境規制、ラインタイム
など様々な要件を考慮した塗料を使用する必要があります。
修理で同じ塗料を使用することはできないのか?
街の板金塗装工場で新車の製造工場と同じ条件を再現することはほぼ不可能です。
修理においては自動車には様々な部品が取り付けられた状態で修理するため
設備面もそうですが高温で焼き付けることができません。
そのため主剤と硬化剤を反応させ塗膜を形成する二液重合型乾燥塗料が用いられます。
常温~80度で乾燥することで反応を促進し塗膜が形成されます。
修理で使用する塗料は耐久性がない?
よく修理現場では新車と同じ塗料で塗ってくれというオーダーを受けることがあります。
確かに新車と同じ塗料で塗装すれば耐久性も変わらないし安心ですよね。
しかしながら前述の通りそもそもの塗膜の形成方法が違う塗料を使用していることから
新車と同じ塗料で塗装することは不可能です。
修理で使用する塗料は決して耐久性が劣るとは言えません。
昨今は塗料性能も著しく進化し品質も外観も非常に優れた製品が流通しています。
修理の現場では修理前の状態に復元することが大前提なので違和感なく自然に仕上げる為に、
車種や車格、新車で採用されている塗料に近い性能の塗料を選定し修理しています。
まとめ
新車の塗装
- 工場ライン
- 高温焼付け
- ロボットが塗装
- 大量生産
修理の塗装
- 手作業中心
- 低温乾燥
- 人が塗装
- 少量部分修理
色が違って見えるのは環境も使用している塗料も違うため完全一致は不可能です。
しかしながら新車の塗装を再現するため街の修理工場では手作業で車種や車格に応じた
修理手法を選定し違和感のない自然な仕上がりを目指しています。

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